卵巣の腫瘍を取った話③ 手術!

女性的な話

検診にて卵巣に成熟嚢胞性奇形腫が見つかった私。さらなる検査を乗り越えて、いよいよ手術日を迎えました。手術日とその直後の記録です。

腹腔鏡下手術 (腹腔鏡手術)

私が受けることになった手術は腹腔鏡下手術といいます。概要は

・全身麻酔を行う

・へそを含んだへそ下を3〜4箇所、1〜2cm切り込む

・切り込みからスコープを挿入し、そのスコープの映す画面を見て手術を進める

というものでした。従来の開腹手術と比べての

メリット①傷口が小さく済むため、美容面で優れている②日常生活や社会復帰を早く再開できる

デメリット①全身麻酔による副作用(吐き気、血圧への影響など)が起こり得る②手術中の状況によっては開腹手術に切り替える、と説明を受けました。

親知らず抜歯以外では人生初めての手術です。麻酔が切れたら痛いのかな…という不安を抱えつつ当日朝を迎えました。

7:00ごろ 血圧・体温測定・浣腸

昨夜のヘルシー晩ご飯により、べらぼうにお腹が空いていますが、手術日なので当然ご飯はありません

。看護師さんが来てくれて血圧・体温を測定します。手術後しばらくは自力でトイレに行けないため、浣腸もします。「トイレで出たら、流さずにナースコールしてくださいね。」と言われました。ええっ……でも、出たという証拠を確認する必要があるのでしょう。致し方ないです。そうして、浣腸後1分ぐらいでしょうか。めちゃくちゃトイレに行きたい。しかし看護師さんからの、「しばらくは我慢してからトイレに行ってください。」という言い伝えがよぎります。きっとまだだ。まだだよとんじっと。我慢するんだ。しかし…しばらくって一体どのくらいなんだい?10分くらいかい?ちょっともう耐えられそうにないよ。看護師さんっもし早すぎだったらごめんねっ…脳内での葛藤はありつつも、3分も我慢しきれずトイレに向かいました。早すぎたかもしれませんが、ナースコールをして看護師さんにトイレを確認してもらい、「大丈夫です」を頂けたのでオーライ。

9:30ごろ 血圧・体温測定・ストッキング

入院中というのは、くどいくらいに血圧や体温を測りに看護師さんが来てくれます。だんだん看護師さんが天使に見えてくるよ。まあそれは置いといて。ここで、血栓ができるのを防ぐ為のストッキングを履くように言われました。ひざ下までの長さですが、履いてみると、ほど良い加圧感があります。

11時から手術の予定なので、ここから水分の摂取もNGになります。

10:00 ナースステーションへ

これは手術と直接関係ない動きなのですが、私は民間の医療保険に加入しており、今回の手術・入院費用が出そうだということなので、書類を書いてもらうためにナースステーションに向かいました。「退院が決まったら1F(総合受付あたり)の文書受付コーナーに出してくださいね。」と言われました。まだそのタイミングではありませんでした。退院が決まるまで大人しく待ちます。なお、書類を書いてもらうためには4400円かかるとのこと。書類書いてもらうのってタダじゃないのねえ。いろいろ勉強になります。

11:00 手術へ

看護師さんが来てくれて手術フロアへと向かいました。手術室の前に広い空間があり、しばらく椅子に座って待ちました。手術室が開き、呼ばれたので自分で歩いて手術台に行きました。仰向けになると、「麻酔を打ちます。眠っている間に終わりますよ〜」と言われ、チクっと注射されました。なんらかのウジャウジャという雑音が耳に響いていましたが、ヘッドホンから流れていた音声なのか、麻酔でそういう音が聞こえるようになるのかどっちなんだろう、など一瞬考えているうちに、記憶が途切れました。眠ってしまったようです。あっけないですが、手術の記憶はこれだけです。

14:00すぎ 手術終了、目覚め

病室で目が覚めました。いつの間にか、入院している部屋に戻ってきています。ブブブと機械音がして、音の先を見ると、ふくらはぎに定間隔で加圧するストレッチャーがついています。腕に点滴がなされているし、口には酸素マスクがついています。他にも何やら管がついています。管だらけの満身創痍感。目覚めたので、酸素マスクが外されて、看護師さんが「携帯見ますか?」と、取ってくれました。時間を確認すると14時を過ぎていました。やたら体のあちこちが痛いように思うし、喉もカラカラです。

手術は予定通り終わったとのことで、一安心します。が、ここでもやはり、血圧・体温の測定は欠かしません。手術後なので、熱は38度くらいに上がっていました。何やらついている管は尿カテーテルでした。明日の朝まで絶対安静なので、その間の尿の行き場は君にお任せなんだぜ。困ったのは、体を横に向けようとすると、激痛が走ること。切ったはずのへそ下あたりというよりは、みぞおちのあたりがすごく痛くて、とても横向きに寝ていられませんでした。まだ眠気やだるさがあるので、ひたすら仰向けになり、寝ていました。

0:00すぎ(手術翌日)

寝たり、起きたりを繰り返していたら翌日になっていました。寝返りを打てないというのは、想像以上に苦しいものがあります。このあたりで気づいたのは、もう24時間以上なにも食べていないのに、点滴のおかげか、お腹が空いたと感じないことです。もちろん、この苦しみから少しでも気を逸らしたいので、ご飯食べたいな〜とは思いますが。また、尿カテーテルがついていると聞いてはいても、仰向けのまま、起き上がれないので実際どのようにつけられているのか見てはいません。興味はありますが、とにかくこの段階で言えるのは尿意も感じないことです。すごいな、医療。

6:00(手術翌日)採血、血圧・体温測定

朝がやってきました。生きています。相変わらずストレッチャーはブブブと音を鳴らし、ウトウトしているときにその音で邪魔をしてきていますが、まあ、それなりに寝たと思います。さて、恒例の血圧・体温チェックです。ここでは採血もありました。そしてまだ、食事はありません。わびしい。4人部屋だったので、自分以外の人の食事の香りがします。お腹が減っている感覚はないけれど、これが辛かった。この後、歩行訓練があり、うまくできたら、尿カテーテルを外しますよ、と教えてもらいます。回復への第一歩だ。がんばるぞ!

9:00(手術翌日)歩行訓練

社会復帰への第一歩、歩行訓練です。天使こと看護師さんが来てくれました。歩行器の手すりを持ち、ゆっくりと立ち上がります。ほぼ丸1日、寝たきり状態だったため、おそるおそる歩きます。病室を出てほんの少しの距離ですが、歩けました。ただ、件のみぞおち痛がひどい。ほんとにみぞおち痛すぎるよ。猿人のような、変な姿勢で歩くしかない。そのまま病室内のトイレの便座に腰掛けて、手術後初めて自分のお腹を見ました。傷跡…おお、ちょいグロテスク。へそと、へそ下3箇所が切られていました。「カテーテル抜いてもいいですよ」と看護師さんが言ったので、そのまま手で引っ張ると抜けました。みぞおちの都合上、あまり前傾の姿勢になれなかったので、繋がれ方は詳しく見えませんでした。尿カテーテル、痛いわけではないんですが、やはり違和感はあるので、外れて爽快です。しかし、頭がチカチカしてきて、めちゃくちゃしんどくなりました。ベッドに腰掛け、しばらく固まってうつむいていました。脂汗が噴き出ています。それも看護師さんが拭いてくれました。天使。元々低血圧な私ですが、看護師さんいわく、久々に立ち上がったことでさらに低血圧になったようです。「また後でもう一回訓練しましょう」と言われました。がんばる。

12:00(手術翌日)1日半ぶりの食事!!

ついにこの時が来ました。どれほど待ち望んだことでしょう。昨日の夜ぶりの、食事です。内容は、

・五分粥

・ふりかけ

・煮物①(ささみ、野菜)

・煮物②(なす)

・豆腐

・桃のシロップ漬け

やはり低脂肪。そして、おそらく煮物って体に負担がかからないのね。とにかく、テレビの有料カードも買わずに暇を極めていた私にとっては、食事が摂れることが嬉しすぎます。

ベッドを起こしますが、やはりみぞおちの痛みが気になります。みぞおちが痛いゆえ、いつものようにスルスル食べられません。食欲大魔神、ピンチです。しかし、回復するためには食事が大切に決まっているんだよ。もう低血圧になるわけにはいかないんだよ。意地で、時間をかけて完食しました。食べながら思ったのは、「おかゆの量に対してふりかけが全然足りないぜ!!」入院を知り先輩がくれていたふりかけを追加して食べきりました。ありがとう先輩、そしてふりかけ。好きだよ。

14:00(手術翌日)歩行訓練リベンジ

またまた、看護師さんが歩行訓練の付き添いに来てくれました。食事も完食したことだし、低血圧には負けないぜ。そんな気概を持ちながら再び立ち上がります。歩行器を持ちながら、先ほどより少し遠めの、病室外のトイレまで向かいました。みぞおちはやっぱり痛いけど、さっきのような頭がチカチカする感じはなく、スムーズに行けました。これにて、

スキルトイレに行きたければ自分で行く

を手に入れました。これにより、ふくらはぎのストレッチャーが外れます。ただし、体を起こすとみぞおちが痛いことには変わりないので、基本姿勢は仰向けです。暇で暇で、携帯で電子書籍の漫画を読んで時間つぶしをしました。

15:00(手術翌日)点滴、トル

食事を自分で摂ることができたので、いよいよ栄養補給の点滴も外れることになりました。自分についていたものが減っていくと回復を実感できます。やったー。

18:00(手術翌日)夕食

手術後2回目の食事です。内容は、

・五分粥

・煮魚

・煮青菜

・煮さつまいも

・茶碗蒸し

です。世間ではクリスマスメニューなんかを食べているであろう最中、煮物のコンボがえげつないです。でも、食べられることに感謝して。美味しくいただきました。

21:00すぎには消灯され、手術翌日の1日が終わりました。

卵巣の腫瘍を取った話④退院に続きます。

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